受賞
受賞 : 佐藤 正寛博士:第6回(2012年)日本物理学会若手奨励賞(領域3)を受賞
投稿者 : master 投稿日時: 2012-3-24 (3155 ヒット)
受賞

本領域・公募班(A01)「低次元フラストレート系におけるカイラル及び多極子秩序とその動的観測量」研究分担者の佐藤 正寛博士が、日本物理学会若手奨励賞(領域3)を受賞しました。

対象論文
(1) Masahiro Sato, Tsutomu Momoi, and Akira Furusaki,
NMR relaxation rate and dynamical structure factors in nematic and
multipolar liquids of frustrated spin chains under magnetic fields,
Phys. Rev. B 79, 060406(R) 1-4 (2009) Editor's Suggestion
(2) Masahiro Sato, Toshiya Hikihara, and Tsutomu Momoi
Field and temperature dependence of the NMR relaxation rate in the
magnetic quadrupolar liquid phase of spin-1/2 frustrated ferromagnetic chains,
Phys. Rev. B 83, 064405 1-10 (2011)
(3) Shunsuke Furukawa, Masahiro Sato, and Shigeki Onoda,
Chiral Order and Electromagnetic Dynamics in One-Dimensional Multiferroic
Cuprates,
Phys. Rev. Lett. 105, 257205 1-4 (2010)

説明
近年、一連の擬1次元銅酸化物磁性体がカイラル秩序と強誘電性を同時に示すことが実験研究で明らかとなり注目を集めている。さらにこの物質群の有効模型であるJ1-J2スピン鎖に磁場を加えると、3種類の磁気多極子液体相と呼ばれる新しい相が現れることが理論的に予言されていた。このような多極子秩序の直接観測は非常に困難な為、多極子相を検出する有効な実験方法の提案は磁性研究の重要課題の1つといえる。このような状況において佐藤らは、J1-J2鎖で実現する多極子相の明確な特徴が核磁気共鳴法と中性子散乱実験で捉えられることを予言した。これは多極子液体相に対するはじめての現実的検出方法の提案であり、実際幾つかの擬1次元銅酸化物(LiCuVO4など)でこの予言が検証されつつある。また佐藤らは、上記銅酸化物の中で精力的に実験研究されている化合物の1つであるLiCu2O2に注目し、その1次元有効J1-J2模型の相図、3次元性を取り込んだカイラル磁気秩序構造、電気磁気応答スペクトルを決定し、様々な実験結果を定性的・定量的に説明する理論も構築した。


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