特定領域「フラストレーションが創る新しい物性」
キックオフミーティング
開催日時および開催場所
2007/11/11〜11/13 大阪大学中之島センター
キックオフミーティング報告
特定領域研究「フラストレーションが創る新しい物性」の発足を受けて、2007年11月11日から13日にかけてキックオフミーティングが催されました。計画研究について、研究の進捗状況と今後の方針を議論しました。多少の例外はありますが、一日目が前川班(幾何学的フラストレート磁性体の新奇秩序)と川村班(フラストレーションとカイラリティ)、二日目に陰山班(量子フラストレーション)、常次班(フラストレーションと量子伝導)、三日目に有馬班(スピンフラストレーションと磁気強誘電性)、廣田班(フラストレーションとリラクサー)、香取班(スピン・電荷・格子複合系における幾何学的フラストレーションと機能)の順に報告を行いました。
括弧書きにした研究題日からも明らかなとおり、フラストレーションの研究といってもその対象は多岐にわたります。したがって、同じ物性を研究している研究者集団とはいえ、例えば物理学会では参加する領域は自然と分かれることになります。そのため、まとまって直接話を聞く機会はこれまであまりなかったように思います。このことはとりもなおさず、特定領域「フラストレーション」を推進する意義の大きさを示唆しているのでしょう。例えば、フラストレーションの本流である「フラストレートスピン系」にあまり詳しくなかった私にとっては、フラストレーション系で何が未解明なのかを理解する良い機会でした。すなわち、スピン液体、カイラル秩序、カイラルグラスという実験家にとって難しい概念が少しわかるようになった気がしています。
来年度は、第一期の公募研究も加わりますので、さらに広範囲の研究が含まれることになります。共同研究の芽などもあるのだろうと、今から楽しみです。(T.A.)
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